アナ・ログ

春待つ想い

金澤 聡

2014/03/18

春、いよいよプロ野球が開幕します。
楽天イーグルスは、日本一連覇に向けた2014年シーズンを迎えます。

昨シーズン無傷の24勝を成し遂げた田中投手の穴をどうやって埋めるのか、これに尽きます。
昨季は、チーム貯金23で優勝していますから…。

しかし、今季は“穴埋め”なんて言うのが失礼な頼もしい若手が台頭しています。
ゴールデンルーキー松井裕樹投手。甲子園で奪三振の記録を打ち立てた左腕は、プロでも高卒ルーキーの記録を打ち破るような存在感と期待感があります。オープン戦でのピッチングに裏打ちされたその実力は、二桁勝利も夢ではなさそうです。
そして、去年のドラフト1位左腕、森雄大投手。ルーキー松井に刺激を受けて、キャンプ中はブルペンで熱投を見せていた期待の2年目。
この台頭してきた若き2人のサウスポーが連覇の鍵を握っているかもしれません。

若手伯楽の歴戦の闘将曰く、
『誰かいなくなれば、誰かが成長して出てくるもんだ』
予見通りとなれば、今年も熱くなるシーズンを迎えるかもしれません。

さらに、投手だけでなく、V2使者の大物助っ人ユーキリスも加入しました。
楽しみな若手中心の投手陣と有名メジャー選手。
田中投手不在は寂しいですが、これだけでも、ペナント開幕が待ち遠しい !!

日本一の富士山にも、雪解けの春がやってきます。
乾いたミット音と打球音が響くペナントの春ももうすぐです。
今年も頂点に立つイーグルスを祈って。

次は、寺田アナウンサーです。

2014年「ともに」

金澤 聡

2014/03/10

虹色に輝く夢が詰まった当時16歳の少年は、葛藤していた。
「このまま続けていいのか。辞めるべきなのでは…」
故郷宮城は先の見えない災禍に襲われ、少年の胸をえぐった。
幼い時から通っていたスケートリンクも被災し、練習拠点を失った。実家も被災し、一時避難所生活を送った。

しかし、少年は、立ち上がる。故郷の復興のため東北の光になろうと決断する。
もう一度スケート靴を履いた。
練習場所を失った少年は、アイスショーに参加することで技術を磨いた。
募金活動をしながら各地を渡り歩き、60公演もこなした。

被災地に勇気を届けたい。その想いを結実させるため、海外留学も決める。
出来る限りの努力は全部行った。
どんなに辛くても、血のにじむような努力を続けた。
支えてくれた故郷の人に光を届けるために。

ソチオリンピック。
震災から3年。19歳になった青年は、世界一に挑んだ。
青年にはライバルとの熾烈な最終決戦が待っていた。
フリー前半、得意のジャンプでミスを犯すが、後半は立て直し見事に滑りきった。
『諦めるな』 『絶対に諦めるな』
そう訴えるような滑りだった。

羽生結弦。男子フィギュア初の金メダル獲得。
新たな歴史の幕を開いた。
「金メダリストとして復興に携われることはある」
世界一になって勇気を届けた東北の光は、
これからもともに、故郷の復興に寄り添っていく存在だろう。

故郷でも見えつつある震災の心の風化…
羽生がもたらした金メダルは、失ってはいけない大事な何かを改めて教えてくれた。

*写真は、羽生選手が金メダルを獲得した事を祝して、
弊社電波塔「仙台スカイキャンドル」を金色に灯したときのものです。あいにくの雪模様と、自宅から携帯カメラで撮影したため、分かりにくい写真になっています。
すいません。(2月15日撮影)

次は飯田アナウンサーです。

着(き)物を更(さら)に重ね着(ぎ)したくなる?「如月(きさらぎ)」に想う事

金澤 聡

2014/02/13

寒さが身にしみる季節です。
外の活動は、厚着をしても心までが凍えてしまいそうになります。
そんな極寒の2月を、ホットにしてくれるのが『カエル』です。
写真のカエルが体の内側から温めてくれます。

私は、おそらく冷え症です(正確に診断してもらったことがないので…)
特に足が冷えると、動きも思考も鈍ります。
日々の業務に支障をきたすのも問題なのでなんとかならないものかと
手を伸ばしたのが、『カエル』です。
正確には、『カエルの足ツボ棒』です。

このカエルの棒で、足のツボをピンポイントで押していきます。
最初は、「足ツボで少しは冷え症が緩和してくれればいいなあ」程度で始めたのですが、
この足ツボは、私には絶大な効果がありました。
寝る直前の10分程度の足裏マッサージで血行がよくなるの感じます。
日中も異常な足の冷えを感じなくなりました。
カエル様々です。

別にカエルじゃなくてもいいのでは?という声も聞こえてきそうですが、
私にとってはこのカエルが、冷えを払うありがたき医師であり友であります。
啓蟄の前に働かせて申し訳ない気持ちでいっぱいですが、
どうぞ2月まではお付き合いください。

次回は梅島アナウンサーです。

2014年ちょっと経って…改めまして今年の抱負!

金澤 聡

2014/01/24

今年の抱負は、抽象的ですが、『地に足をつけて歩く』 です。

今年は午年なので、さっそうと疾駆したいところですが、
あえて着実に歩みを進めようかと思っています。
去年は、バタバタしてあっという間に1年が過ぎ、
「考えて行動する」というよりも、「走りながら考えていた」年でした。
どうしても色んな事が、拙速になってしまいました。

今年1年のことをじっくり考え歩もうとした時、
去年足りなかったのは腰を据えての知の蓄積だと思いまいた。

今年は着実な一歩のために、
読書の量を増やしたり、色んな文化に触れようかなという思いを抱いています。

年々、睡魔が襲ってくる時間が早くなり、ベッドに入ってから本を開く時間が短くなってきていますが、
その分、良書に努めたいと思っています。
といいつつも、今年の初読書は、私の大好きな作家の小説3冊…
厳選してというよりも、読みたいものを読むという、
いわば、『欲書(欲望の赴くままの読書)』でのスタートとなってしまいました。
新年から躓いた感は否めませんが…。

文字通り、『不惑』となれるよう、しっかりと歩く1年にしたいです。

なんとも抽象的で、午年というより丑年のような抱負ですが、
とにかく、歩みは遅くとも前へ前へという思いです。

次は、寺田アナウンサーです。

うまくいく?うまどしです!

金澤 聡

2014/01/16

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い申し上げます。

今年は、来月にソチオリンピックが開幕します。
注目は、フィギュアスケート男子、仙台市出身の羽生結弦選手です。
昨年の全日本フィギュアで優勝し、初のオリンピック出場を決めた羽生選手。
フリーの演技を終えた瞬間、そして、ソチを射止めた瞬間に笑顔はなく、
唇を噛んだ表情が印象的でした。

優しいマスクの裏に内包されている、アスリートに欠かせない「人一倍の負けず嫌い」

おそらく、完璧を求めたフリー演技。その冒頭に魅せる「4回転サルコウ」で転倒。
その悔しさが、険しい表情を形作ったのだと思います。

天賦の才能に加え、努力で掴んだソチへの切符。
大会ごとに飛躍的に進化を遂げた19歳の青年は、
仙台の、東北の、日本の希望の選手として、夢の金メダルへの大舞台に臨みます。

その金メダルの鍵は、「4回転サルコウ」の成功にかかっているといっても過言ではないでしょう。

“被災地のために”という思いで世界の一番高いところに挑戦している羽生選手ですから、
きっと、うまくいくでしょう。
凍てつく東北の冬に、感動的なホットな話題を届けてくれることを期待します。
いや、メダルの色よりも、滑り終えて、納得の笑顔を見られるほうが、心が熱くなるかも…

うまくいくことを仙台から祈っています。


次は、飯田アナウンサーです。

2013年 今年一年を漢字一字で表すと

金澤 聡

2013/12/16

今年は…、「頂」です。

楽天イーグルスが、巨人との頂上決戦を制し、球団創設9年目で初の球界の頂点に立ちました。
初めて見る、頂の景色。
それは、仙台市の中心街を21万4000人のファンで埋め尽くした圧巻の景色。
初のパレードも、東北のファンの底力を見ました。
「おめでとう」の言葉より、「ありがとう」とイーグルスに感謝の言葉をかける声が多かった、日本一のパレード。

生涯勝負師の野村克也元楽天監督の語録にこういう言葉があります。
『高山のいただきに美木なし』
おそらく、高く険しき山の頂には、荒涼とした景色しかなく、ここからまた厳しい状況が待っているという意味ではないかと思います。
野村元監督にとっては、優勝したその瞬間から、また勝ち続けなくてはいけない宿命を負い、厳しい状況が待っているというのを表現したのではないでしょうか。
生涯かけての勝負師ならではの名言です。

しかし、いまは、美木の頂で、勝利の歓喜の余韻に浸っていただいて英気を養い、また来シーズンからの険しい、いばらの連覇の山登りに向かってほしいと思います。

今年は、スポーツに携わるものとして、頂の景色を見せてもらった最高の年になりました。

次は高谷アナウンサーです。

クリスマスキャロルが聞こえる頃?

金澤 聡

2013/12/09

クリスマスキャロルが聞こえ始めようかという頃の11月10日、ベガルタ仙台レディースが女子サッカーリーグ1部にあたる「プレナスなでしこリーグ」の最終戦を終えた。
1部リーグ参入1年目で、10チーム中5位という成績を残した。言い訳にしか聞こえないが、今年は楽天イーグルスの快進撃に押され、レディースの試合をほとんど見ることができなかった。
リーグ戦を終えて開かれたスポンサー謝恩パーティーに司会として参加した。シーズンを見ていない私にとっては大変申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
その席上でレディースの千葉泰伸監督はこんなことを言っていた。今年はけが人が多くやりくりに苦慮した。試合選手登録は15人だが、ある試合では14人しかベンチ入りすることができなかったと…。
ベガルタ仙台レディースでプロ契約しているのは、鮫島彩選手ただひとり。
その他の選手は、アマチュアである。普段は、仕事との両立を図らなければならない。そういった意味では、体のケアを含め非常に厳しい環境でサッカーと向き合っている。

9年前、球界再編の騒動の中誕生した楽天イーグルスはユニフォームも揃わないまま始動した。チーム専用のトレーニング室もなければ、シャワー室も完備されておらず、体をふくタオルさえない状況だったそうだ。それが、いまや日本一。球団創設時に関わった職員、スタッフ、選手にとっては感慨深い日本一に違いない。

ベガルタ仙台レディースも、いずれ参入1年目の状況を、笑い話として回顧するときがくるだろう。
レディースは、前身の東京電力マリーゼが震災によって解散に追い込まれるという騒動から誕生し、いまは温かい東北のサポーターに支えられている。
日本一に到達したチームに状況が酷似しているから。

次は浅見アナウンサーです。

燃える秋

金澤 聡

2013/11/08

今回のテーマは「燃える秋」です。

東北が熱く燃えた、楽天イーグルスの日本一。
被災地・東北にとっての悲願が成就された。
最後にマウンドに立っていたのは、背番号「18」田中将大だった。前日の第6戦に先発した田中は、プロ入り最多の160球を投げ切った。
勝負事に絶対はないと痛感。今シーズン初めて、田中に土がついた。

翌日、田中はベンチに入れてほしいとコーチに直訴したという。星野監督は、ベンチに入れてもマウンドに上げることは絶対しないと決めていた。
3点リードで先発の美馬から2番手則本がマウンドに立っていた7回。
星野監督は、佐藤義則ピッチングコーチと継投について話し合おうとした。
その時、田中が2人の間に割って入る。
「登板させてください」田中が星野監督に志願する。
「本当に大丈夫なのか?」星野監督は前日完投したエースの肩を心配していた。
「大丈夫です!」
「本当に大丈夫なのか?」
「大丈夫です!!」
「本当に大丈夫なのかっ!」
「大丈夫です!!!」
「それなら9回いけ!」
指揮官は3度の確認で、田中の不断の決意を感じた。

9回、コールされたのは『田中将大』
前日沈んだ難攻不落の不沈艦は、エースのプライドと意地で再び浮上し、その姿をマウンドに表した。
そして、球団創設9年目で初の日本一をもたらした。
偉大なる若きエースは、絶対にマウンドに上がらなくてはいけない理由があったのかもしれない。
自分の負けで日本一を逃しては、次に進めない。そう感じた。
たとえエースが代わったとしても、燃える秋が、また来年訪れることを願って…。

次は、小口アナウンサーです。

オータム・イン・MIYAGI

金澤 聡

2013/10/30

「勝つことで、被災地に勇気を与えたい」
今シーズン、星野監督は念願を叶えた。
1からチームを作り直し、3年かけて見事パ・リーグの頂点に立った。
大小にかかわらずミスには目をつぶり、じっくり腰を据え
若手を育て花を咲かせた。
球団は、複数年の契約を星野監督に用意した。

一方で、チーム最長となる6シーズン目の指揮を執る
手倉森誠監督が、今シーズン限りでベガルタ仙台を去る。
コーチ在籍を含めると、ちょうど10年になる。
秋の空のように監督交代を繰り返してきたチームが、
ようやく監督人事にどっぷりと座して構えた。
そのチームの姿勢に、手倉森監督は応えてみせた。
就任2年目でJ2を制し、J1再昇格を決めた。
震災の年に4位と躍進、「希望の光になる」と掲げ形にしてみせた。
昨シーズンはクラブ史上最高位の2位。
今シーズンはクラブ初のACL(アジア・チャンピオンズリーグ)出場。
この6年で多くの功績を残した。
若手生え抜き選手育成の手腕が認められて、
来年からは2016年のリオのオリンピックを目指す、
U-21日本代表の監督に就任する。

ともに共通するのは、
若手を厳しい競争にさらしながら、成長を信頼して起用し続ける。
粋に感じた若手がチームを押し上げ、勝利の駆動力の主となり、最終的に結果を残す。
いわば、伯楽にして、モチベーター。

ここでふと我にかえる。
若手育成に深く傾倒している自分は、もはや、中間管理職。
背中に吹きあたる宮城の秋風を悲哀と感じず、追い風ととらえ、
若手とともに実りの秋にしたい。

次は、小口アナウンサーです。

神神・神無月

金澤 聡

2013/10/09

9月26日。
無神論者ではあるが、この日、間違いなく神はいた。というより、「観た」、か…。

所沢の逆転勝ちと札幌での逆転負け。
劣勢を一打で払拭する4番の存在。
リリーフ故障で、緊急登板のベテラン。今季加入の会見で「宮城にチャンピオンフラッグをたなびかせる」と宣言したこのベテランが、形にしてみせた。
最後のマウンドに立っていたエース。一打出れば三夜連続のサヨナラ負けのピンチで、相手の3番、4番に対し全球ストレートで勝負し、二者連続三振。両手を天に突き上げ、マウンドで彼を中心に歓喜の輪が出来た。
間違いなく野球の神にしか描けないシナリオである。
私はこの神脚本の劇を、目の前で鑑賞した。
悲願の初優勝という大団円につながる終盤の展開は、神業のそれであった。
球団創設初年度からの歴史を知る宮城の人には、感涙にむせぶ特別な日になったと思う。

10月は八百万の神が出雲大社に集まるため日本各地で神が不在になるという。
どうか野球の神だけは、宮城に残ってほしい。
当然、初の日本一になるシナリオを描いてほしいから。

次は、小口アナウンサーです。

次へ ≫