アナ・ログ

2012年 春

金澤 聡

2012/04/26

社会人になってから、どんなことで春を感じるようになったか…。
一番は、花粉です。
学生時代は、風が強い日にちょっとくしゃみが出るくらの花粉症も、
入社直前あたりから、目がひどくかゆくなり、朝はくしゃみがとまらなくなるようになりました。
完全にストレスとの因果関係が強く疑わしい感じがしますが、
自分にとって春は花粉症の季節といってもいいくらい残念ながら憂鬱で
「あぁ、春がきてしまった…」と思ってしまう季節です。

しかし、今年は憂鬱なだけの季節ではなく、慶びの春となります。
長男がこの春、入園します。
自分の入社式以来、そういった門出と一切無縁だった会社人生に
初めて入園式という、『晴れのイベント』に出席します。
これまで父親としてちゃんとした背中を見せているかどうかは、いまだ自信がありませんが、
なんとか、まずは入園まで成長してくれました。そのことに感謝です。

今後は、次男とともに、卒園や入学、卒業など、春は子供の成長を感じる季節になるのかと思うと、
憂鬱な気分は忘れそうです。

でも…、幼稚園バスに乗って一人で行けるかな。友達できるかな。大丈夫かな。
心配事はかえって増えるのでしょうか。やっぱり憂鬱な季節?(笑)

次回が、このテーマ最後です。梅島アナウンサーです。

新たなスタート!

金澤 聡

2012/04/13

2012年度がスタートしました。
今年度の宮城のスポーツ界のテーマは『復興元年』
このアナ・ログでも再三書いていますが、
楽天もベガルタ仙台も89ersも仙台ベルフィーユも、新たなスタートを切って、
東北を、そして、宮城を感動させるようなシーズンにして欲しいと願っています。

そして、私は人生の4度目の節目を迎えます。
不惑の年にできるでしょうか…。夏で40歳です。
髪にも白いものが混じるようになりました。必ず来るんですね、40歳。当たり前ですが。

30歳になったとき、心に誓ったことがありました。
「40歳までには、信念のある人間になろう。知識と経験を積んで思慮深い人間になろう」と…。

40歳秒読み段階になって実際はというと、信念どころか、迷いっぱなし。
まだまだ確固たる自己形成などされてもなく、『はなたれ小僧』もいいとこです…。

いま思っていることは、今後は3年周期で長期目標を立てようということ。
「43歳までには信念ある人間になろう!」と強く思っています。

自分がいま携っている仕事が、復興の一助になるように、“信念”をもって2012年度をスタートさせようと思っています。
色んなことを謙虚に学びながら、惑わされないように頑張ります。

今回のテーマ、「新たなスタート」はこれで終了です。
次回は、「2012年 春」がテーマです。トップバッターは佐藤アナウンサーです。

ともに(3)

金澤 聡

2012/03/22

サッカーJ1リーグが開幕しました。
ベガルタ仙台は昨シーズン、被災地東北・宮城の「希望の光」になろうと奮起し、堅牢な守備を盾に球団最高位の4位を記録。ベガとアルタイルに由来するチーム名のごとく、まさに復興の星ともなりました。

迎えた2012年シーズン、ベガルタ仙台の手倉森誠監督は「復興元年」と位置づけ開幕。ホーム、ユアテックスタジアム仙台で、J最多優勝を誇る鹿島アントラーズと対戦。あの震災からおよそ1年経った3月10日に、被災地チーム同士で幕開けゲームを戦いました。

ベガルタの選手たち、そして、岩手出身のアントラーズ・小笠原選手も「ともに被災地チーム同士で、どっちも勝たせたい」と話していました。

ただ、選手ひとりひとりの戦いを見れば、勝負に関係なく『思い』を伝えられたのではないでしょうか。

ベガルタの開幕スタメンには、東北被災地出身の選手はいません。しかし、第二の故郷のためにと本気で立ち上がり、復興をモチベーションに戦うチームが果たして勝利という結果を出しました。

手倉森監督は、『我々には責任がある』と常に言います。翻って、自分は…。責任ある復興元年、これを胸に刻みたいと強く思ったベガルタの開幕戦でした。

次は、広瀬アナウンサーです。

ともに(2)

金澤 聡

2012/03/09

あの震災から1年。
復興への道程はまだ一里塚。今年は道標をしっかりたてて、確実な道を歩むことが大事かと思っています。

何里離れているかは分かりませんが、遠く沖縄での取材中の車内。

FMラジオのDJが、東日本大震災の復興の思いを語っていました。仮設住宅で生活をされている人の声、故郷から離れて生活されている方の声など、震災から1年経ってもなお苦しい生活をされている方の声を紹介していました。

沖縄でもいまだ自分のこととして考えてくれていることに心が熱くなりました。楽天のキャンプを見に来ている地元・沖縄の方も話していました。
沖縄から楽天を応援することで東北・宮城が元気になってくれればと。
沖縄の小さな町でも聞けた復興の思い。

全国のひとつひとつの小さな思いが大きな動きになっていき、それが復興の歩を進めていく年になればと思っています。

南の島の守り神も東北も見つめていることを忘れない1年にしたいとも思っています。

次回は、梅島アナウンサーです。

ともに(1)

金澤 聡

2012/02/24

これを書いているのは、2月12日です。震災から11ヶ月が経ちました。
沖縄の久米島にいます。楽天キャンプ取材をしています。
久米島の綺麗な海を眺めていると、とても複雑な思いになります。
1年前に三陸を襲った海と同じ海とは思えません。

毎朝、楽天の投手陣は、久米島の海に向って今シーズンの目標を大声で叫びます。
一日に一人から二人ずつ順番で、この儀式は行われます。
この日の朝は、昨シーズン沢村賞を獲得した田中将大投手でした。
昨年は早朝に『沢村賞を取ります!』と宣言し、まさに有言実行となりました。
そして、今年。

『震災復興元年であり、東北のみなさんに明るい話題をたくさん届けられようにチーム一丸となって戦いましょう』

球界を代表するエースとなった今、被災地とともに戦う決意を叫びました。
2年連続で沢村賞を獲得できる権利を持っているのは、田中投手一人。
今年もマウンドで気迫の雄たけびを上げ、勝利という明るい話題を届けてくれるでしょう。
その先にある高みを目指すシーズンにともに応援していきたいと思っています。

次は寺田アナウンサーです。

寒い日が続きますが3日は節分4日は立春…もうすぐ春ですね!

金澤 聡

2012/02/15

いよいよ球春到来です。楽天も久米島キャンプで汗を流しています。
野村克也楽天名誉監督が、キャンプイン前によく『一年の計はキャンプにあり』と話していましたが、今年は、クライマックスシリーズ進出に大いに期待できる年です。キャンプでチーム力の底上げが出来ることを祈っています。去年は星野監督曰く、『ぬるかった』シーズン。今年こそ東北が熱くなるシーズンを!

ベガルタ仙台もキャンプイン。今シーズンは、去年以上の成績を残しACL出場に期待です。ただし、いまやそれほど大きな力の差がないJ1。少しでも足踏みすれば、降格の危機も襲い掛かってきます。
春の開幕スタートダッシュできるかどうか、非常に大事な気がします。

あの震災から一年。長い復興の道を一緒に歩もうと、スポーツ選手も必死に今シーズン戦ってくれることでしょう。
センバツに出場する石巻工業高校をはじめ、スポーツが再興の一助になることは間違いありません。
復興元年の今年、東北がスポーツで熱くなることを祈って、応援していきます。

さて、今回のテーマ『もうすぐ春ですね』は私で最後です。次回からは、東日本大震災からまもなく1年、『ともにI』と題してリレーしていきます。
トップは、林アナウンサーです。

あの日あの時一番役立った物は?

金澤 聡

2012/01/19

今回のテーマは、「あの日あの時、一番役立った物は?」です。


私にとってのあの日は、あの震災の時です。

地震の大きな揺れで、マンションの給水タンクが傾いてしまい、加えて停電したため長期間に渡って断水してしまいました。
困ったのは飲料水もそうなのですが、トイレの水も苦労しました。

私が住んでいるのは8階。もちろんエレベーターは稼働していなかったので、近くの公園の水を汲んでは階段でポリタンクを持って何往復もしなくてはいけません。これは相当難儀なことでした。
ですから、私の場合、当時を思い出すと『役立った物』というよりは、『そうしていれば相当役に立ったであろう物』になるのですが、「風呂の水」です。
震災前までは、風呂の水は午前中に洗濯水に使用するとすぐに流してしまっていましたが、震災後は、風呂に入る直前まで流さず貯めておいて、緊急用にとっておくことにしました。
この時季ですと水道管の凍結などで供給されなくなる場合も想定して、「風呂の水」を貯めています。

甚大な被害を受けた方には、瑣末な例で大変恐縮ですが、想定外のことがまたいつ起こるかは誰も予測ができませんので、小さいことからでも備えをしておこうと思っています。

次は、稲垣アナウンサーです。

2012年 辰

金澤 聡

2012/01/12

宮城にとっては、再生に向けた新たな年を迎えました。
今年もよろしくお願い申し上げます。

明けない夜はないし、明けない年はありません。旧年は先を想像することも難い大変な年でしたが、こうして年は明けました。新たな未来像を見据えた一年にしようと思っています。

スポーツ界は、今年も『復興の希望の光』として活躍してくれることでしょう。被災地で行ってきた野球教室、サッカー教室、バレー教室、バスケのクリニックなど、スポーツ選手との交流が子供たちの心に夢や勇気で彩られた虹色の光を灯しました。
つぶらな瞳に映る選手たちのひたむきな姿勢は、無限に広がる将来の希望につながると思っています。宮城にファンと選手の歓喜がこだまする年になることを期待しています。

今年もスポーツを通して、ともに復興の一助になれるよう頑張ります。スポーツが持つ大きな力を番組や中継で表現できればと思っています。
改めてですが、本年もよろしくお願いします。

次は、林アナウンサーです。

2011年今年を振り返って

金澤 聡

2011/12/16

『禍福はあざなえる縄』といいますが、これほどまでに甚大な災禍に悩まされた続けた年はなかったのではないでしょうか。
いまだ不自由な生活をされている方がいらっしゃいます。一日も早い復興をお祈り申し上げます。

私が訪れた震災直後の避難所では、食料は一日に1度。それも具なしのおにぎりでした。
みなさん文句ひとつ言わず、並んで配給を待っていました。
夜は何日も真っ暗闇でした。すすり泣く人をやさしく励ます方もたくさんいらっしゃいました。

あるお婆ちゃんは、炊き出しで並んでもらってきた自分のお味噌汁を、取材にきた私に「飲みなさい」といって差し出してくれました。もちろん丁重にお断りし、召し上がっていただきました。
惨憺たる状況の中でも他人に気遣いができる優しさに触れ、人間の心根の良心に感動を覚えました。
今年は、枚挙に暇がないほど東北の方の強さを感じた年でした。
ただし、『耐えられる』東北の方の強さに国全体が決して甘えることなく、さらにスピード感を持って復興への歩みを進めてほしいと期待します。

禍福があざなえる縄であるならば、来年は『福』となる年になるのではないでしょうか。
改めて、大切なご家族を亡くされた方に哀悼の誠を捧げるとともに、被災された方に謹んでお見舞い申し上げます。

『ともに』の精神を胸に、復興の一助になれるよう来年も歩んでまいります。


次は、飯田アナウンサーです。

今年の自分を漢字1字で表すと

金澤 聡

2011/12/01

私にとって今年の一年は、『生』でした。

今年は宮城に住む私たちにとっては、大変な年でした。大きな災禍が生じ、一瞬にして生活が変わりました。
生きることの意味を考えました。
そんな中、家族に新たな『生=命』が誕生しました。悲哀と疲労に覆われていた心に生気が宿ったような瞬間でした。
彼に今年は色んな意味で救われている気がします。きっと強い子に育ってくれることでしょう。

スポーツも被災した方の希望の光になりたいと生き生きした姿を見せてくれました。

星野監督を招聘して再生を誓った楽天。震災直後の開幕戦、あの奇跡のような嶋選手会長のホームランは間違いなく勇気を与えてくれました。シーズンは残念ながら5位という成績に終わりましたが、震災の復興は今年だけではなく長く険しい道程となるでしょう、ですから、ファンの方は来年以降に真の「東北の底力」を見せてくれると信じていることと思います。

ベガルタは躍進の一年となりました。拠り所にできる堅いディフェンスが生んだ数々の勝利。昨年J1残留の戦い方を探しに探してようやくたどり着いた理想郷、まさに生みの苦しみを味わったチームが、震災の逆境を見事に力に変えて具現化した負けない方程式。来年以降も楽しみです。

89ERSは、震災の影響で無期限の活動休止からまさに reborn(=再生)し、今シーズンのコートに立ちました。ブースターに支えられ生まれ変わったと言ってもいいでしょう。プロバスケチームもある街に改めて喜びを感じて今シーズンの活躍を期待しています。

来年はスポーツシーンに限らず、たくさんの歓喜が『生』まれることを祈ってます。


次は、寺田アナウンサーです。

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